Moonlit Nightmare
待って…そんなの、あり得ない。
現実的じゃない。
でも、そう考えれば………。
「いいか、ヨハン。期限は明日だからな。
…必ず守れ」
「………っ」
ーーああ、なんて馬鹿な私。
こんな話、聞くんじゃなかった。
口元を押さえて、しゃがみ込む。
迫り上がる吐き気に、きつく目を閉じる。
激しくカーテンが靡く音がして、しばらく。
立ち上がって自室へ駆け込む私の耳に、聞こえるはずもないヨハンの呟きが残る。
「あの子は、渡さない……。
リンネは…
僕の、獲物だ」