Moonlit Nightmare
「うわ、軽。」
「ちょ、ちょっと、降ろして……っ」
バタバタと足を動かすけど、意外にも頑丈なのか、彼はビクともしない。
「リンネは願いを、叶えたくないんですか?」
「いや、それは確かに叶えたいけど……!」
そうじゃなくて、近いし、なんか恥ずかしい…!
そんな私の気持ちなんてつゆ知らず、ヨハンはフッと笑う。
「僕はリンネの願いですからね。
なんでも叶えてあげますよ」
そう言って、彼は手すりから足を離した。
「ーーーっ、、!!!」
お、落ちる……!!
そう確信して、ぎゅっと目を瞑る。
…けど、その硬い衝撃はいつまで経ってもやってこない。
それどころか、むしろ……
「リンネ、目、開けてみてください」
優しげなその声にそっと目を開けると。
ーーー闇の中に、光が見えた。