硝子の靴に口づけを
少女は、その言葉と同時に立ち上がった。
少女の顔には悲しみも絶望もない。
あるのは希望と夢だけだ。
そして少女は走り出した。
裏道に別れを告げて。
大丈夫、私は一人じゃない。
少女は心の中で、そう呟くと人ごみの中へと消えていった。
神は少女が見えなくなるまで見送ると、ゆっくり表通りへと歩いていった。
そして神は道端に並んである露店の一つに腰を下ろした。
「わー、アクセサリーの露店だ!」
「ははっ、どうぞ見てってください。」
神は笑顔で接客を始めた。
露店には、溢れんばかりの純白の羽のアクセサリーが並んでいた。
2008.4.25
高校時代、同好会に所属していた時の作品。
一部訂正。