君だけをずっと
図書委員の週当番で
宮澤くんとカウンターで仕事をしていた。

貸し出しや返却が重なって、すごく忙しくて
返却本を本棚に戻しに行くタイミングさえ逃してした。

ようやく一段落したので、今のうちに動いておこう。
そう思って

「宮澤くん。」

「ん?なに?」

「返却本を、今のうちに本棚にもどしてくるね。
カウンター業務お願いします。」

「了解。何かあったら呼ぶよ。」

読みたかった本を見つけたんだ。
そう言って【宇宙の彼方】なんて、難しそうな本を掲げて見せてくれた。

私は
ボックスの中に本を入れて、カートを押して歩いた。

やっぱり、このドクトクの本の匂いが好き。

物語の中に引き込まれる感じがする。

なんて事を思いながら、一冊ずつ本をもどす。

次に手に取ったのは、よく知ってる本の洋書。

アリスインワンダーランド

あ行だから、一番上の棚に置かないと行けない。

爪先立つけど
届かない。

あ、確か図書の先生の部屋に脚立があったはず。

どうしよう。
宮澤くんに、頼んだ方がいいかな。

カウンターをみると、返却手続きをしていた。

これくらい大丈夫。
そう思って、先生の所から脚立を借りてきた。

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