君だけをずっと
心配する声が、私を抱き締める宮澤くんから聞こえてきた。

「ごめん。私は大丈夫!
それより、宮澤くん…大丈夫…じゃないよね…」

今度こそ宮澤くんの腕の中から抜け出した。

「俺?…多分大丈夫!」

そう言いながら、ガッツポーズをしようと、両腕を
挙げようとして

「っ…」

右腕で左腕をかばう

うそ…脚立で打った…
大丈夫⁉

「宮澤くん!保健室行こう!私、付き添うから!」

「大丈夫だって!」

頑なに、大丈夫って言い張る宮澤くんを
ほんのちょっと支えながら歩き、保健室に連れていく。
先生に事情を説明して診てもらう。

先生が、宮澤くんの腕のシャツをまくって
ケガの状態を診ている。
時折、宮澤くんが【っ…】とか言いながら
呻いてる。

その顔を見ながら、申し訳なさでいっぱいになる。

【ご両親は?】先生が、最初に告げて

「まぁ、診たところ、骨折やひびが入ったりはしてないみたいなんだけど、念のため学校医にみせといて。」

そう言いながら、紹介状を宮澤くんに渡している。

「宮澤くん。…病院も付き添っていい?…ご両親に謝らなくちゃ…」
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