君だけをずっと
診察外の時間だから、待合室には
もう誰もいない。

学校から、連絡してあったみたいで
受付に1人だけ、私たちを待っていてくれて
先生が、受付してくるから
と、走っていく。

「病院って、走ったらダメだろ⁉」

宮澤くんがおどけて私にいう。
ほんとは、私も笑って何か応えたいんだけど
まだ、そんな余裕は出てこない。

【宮澤さん~ 診察室2番へお入り下さい~】

呼ばれたね。

宮澤くんが立ち上がって、2番の診察室に入る。
私も一緒に、診察室に入れてもらう。

【かなり強く打ったみたいだね。念のためレントゲンとりましょう。】

宮澤くんは、先生とレントゲンをとりにいって。
私は、診察室で看護師さんと待っていた。

「カッコいい彼氏くんだね。心配だよね。」

看護師さんが、気を紛らわそうと声をかけてくれるけど
私には苦笑いしか出来ない。

「一緒の委員会なだけ、なんです。彼氏とかじゃなくて…」

私の声が小さかったのかな?
看護師さんには、聞こえなかったみたい…

先生と一緒に宮澤くんが戻ってきた。

【骨折や、ひびは入ってないですよ。打撲ですね。痛みが和らぐまで、暫くかかります。痛み止の塗り薬と湿布出しときますから、1週間後に、また来て。飲み薬出しとくから、痛みが引かない時は飲んで。】

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