君だけをずっと
おもわず

「せ、先生!
宮澤くん、サッカーできますか?」

聞いてみる。

【サッカーか…、あまり激しい動きはオススメしないなぁ。腕は使わないかもしれないけど、接触したりすると傷みも伴うし、治りも遅くなる。】

「じゃ、先生。来週の土曜日は?新人戦があるんだ。」

一縷の望みを込めて、宮澤くんが訊ねる

【来週の土曜日か…今日が木曜日だから…医者の立場からは大丈夫とは約束出来ない。とりあえず、来週の水曜日にまた来てくれる?打撲だけだし、痛みが治まれば…とにかくくれぐれも無茶はしないこと。いいね!】

「はい。」

診察室を後にする。

治療費は、先生が支払い終わってて
荷物を置いてる学校まで戻る。

宮澤くんの荷物を私が預り、一緒に歩いて帰る。

「宮澤くん…
ほんと、ごめん。
私の不注意で。」

「ほーんと!
藤野がいつまでたってもカウンターに戻ってこないから、見に行ったら脚立から落ちてくるし、ほんと慌てたよ!」

軽く言って、私の不安を除いてくれようとしている。
打撲とはいえ、包帯をまかれた左腕が痛々しい。

ごめん。
私のせいで…試合…
出れない…って、言われたら…どうしよう。

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