君だけをずっと
病院からの帰り道

「宮澤くん・・・ほんとごめん。
 私の不注意のせいで・・・。」

「ほんと! 藤野がいつまでたってもカウンターに戻ってこないから、
 見に行くと脚立から落ちそうになってて、オレ、まじ焦ったわ!
 とっさに腕出したら、藤野が倒れてくるし、
 怪我したの藤野じゃなくて、ほんとに良かった。」

宮澤君、私のことを気にして明るく言ってくれる・・
でも
宮澤君の明るさが、私にはツラかった・・・
包帯を巻いてる宮澤君の腕が、痛々しい。

ごめん・・・ほんと、私のせいで、試合出れないってなったら・・どうしよう・・・。

「ね、宮澤君。」 

「ん?」

「来週の水曜日、私も病院に付き添っていい?」

「ん?なこと気にしなくてもいいよ。」

「でも、大変でしょ?
 それに、気になるし・・。」

あぁ~
と考え込んだ宮澤君の口から出た言葉は・・


「じゃ、藤野。
 そんなに気にしてくれるんならさ。
 一つだけお願い聞いて。」

「うん。わかった。私にできることなら、何でも聞くよ。」

宮澤君は、一呼吸おいて

「オレの彼女になってよ。」


・・・彼女・・・

ん??
今、宮澤君、カノジョって言った???
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