君だけをずっと
前に立っている孝太郎君を見ると、目があってしまった。

私を見て、ニコっと笑ってくれた。

苦しいのに・・・・嬉しい・・・・

孝太郎君は、知恵にも気が付いたみたいで嬉しそうにしている。


知り合いがいるって、心強いもんね。


キャーって騒ぐクラスの女子たちも嫌だ!! なんて思ってしまう私は・・・・
何だか黒い感情が私の心をどっか深くに連れて行こうとする。

もやもや考えるのは、イヤダ。

もう、一人で考えるのも辛くなってきた。

知恵に話を聞いてもらおうかな・・・・・


ふと
前を見たら、そこにはもう孝太郎君はいなくて
席に案内された後だった。

私の席からは、孝太郎君の背中が見える。

頬杖をついて、その姿を見つめていた。


「なみーー!! どうした?? 
 あんたのオーラ暗いよ~!!」

「・・・ん?? そっかぁ~ そんなに暗いオーラ出してた??」

ちょっと、自嘲気味に笑ってみた。


「孝太郎君とおんなじクラスなんて、ほんとビックリだね!!
 でもさ、孝太郎君となら仲良くられそうじゃん!! 私たちと一緒だから
 宮澤も安心するんじゃない??」


「そう・・かな・・」


この時、素直に嬉しさを滲みだせることが出来る知恵のことが
少し、妬ましかった。

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