君だけをずっと
「ねぇ~。那美も持っているんでしょ?
 佐倉くん家で見た幼稚園の写真。」

「あの写真?? 多分、アルバムに貼ってあると思うけど。
 それが、どうしたの?」

「だったら、簡単なことだよ。
 那美が、久しぶりにアルバムを開きました。
 あ、もちろん幼稚園の時のだからね!!
 そこには、懐かしい幼稚園の集合写真が載っています。
 初恋の【こうちゃん】も一緒にいます。
 ふと、何気に【こうちゃん】の名前欄を見ました。
 あれ・・? その名前には
 【佐倉孝太郎】と書かれていました。
 偶然なのか? 転校生の佐倉孝太郎くんと同姓同名です。
 佐倉君。あなたは幼稚園の時に一緒だった【こうちゃん】ですか?
 って、聞けばいいのよ!! 
 ね、簡単でしょ!!」


名案だ!! と言わんばかりに知恵はジュースを飲みながらうなずいてる。


「そんな簡単にいくかな・・・?
 あ。でもさ、いつ聞けばいいんだろ__。」


まだ、決心がつかない私に


「大丈夫!! あたしに任せなさい!!
 とにかく、那美ははっきりさせな!!」


うん・・・


はっきりしたら、心はスッキリするのかな?


その時、私の脳裏には

あの時の宮澤君が浮かんでいた。
【大事にするから離れていくな】って言った
宮澤君の姿が。
 
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