君だけをずっと
ふふ。
知恵ったら、こうちゃんに矛先変えてる。


私が、宮澤君と付き合ってなかったら。
こうちゃんが、もっと早く戻ってきていたら。


そしたら、何か変わっていたのかな。


でも
宮澤君と付き合うことが出来たから、こうちゃんの引っ越しの手伝いに行けたんだし、

あのダンボールから、こうちゃんの写真を見ることが出来たんだし、

こうちゃん=佐倉くん???  ってなったんだから。


「知恵~。
 きっかけって大事だね。
 私ね、宮澤君と付き合えてよかったって思ってるよ。
 まだ、すっごく好き!! って言えないんだけど、大切だなぁっては
 ほんとに思ってる。
 宮澤君がいなかったら、こうちゃんとも再会できなかったわけだし。
 まぁ、まだ確定してないけどね。
 忘れないでいたら、また出会えるって言ったお母さんの言葉
 いまなら、わかる。
 私ね、いつかきっと、こうちゃんと話し出来る時が来る
 って思ってるから、その時まで待つよ。」



知恵は、私が紡ぐ言葉をじっと聞いていてくれた。



「うん。
 わかった。
 きっと、それまでに那美の気持ちに変化があるかもしれないしね。
 でも那美。
 悠長に構えてたら、佐倉に彼女でも出来るかもよ__。
 そしたら、簡単に話せなくなると思うから、気を付けてね。」
 

言いながら、ニヤって笑った。











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