君だけをずっと
ここまでは、何とか知恵にもついていけた。
でも、階段が・・・・
「ほら、那美ぃ~がんばれーー!!」
フッ....フッ....ハッ....ハッ....
「......知...知恵...ごめん。....先に行って.....。
ちょっと、......遅れ....そう.....だから....。」
何とか、喋れて知恵に伝える。
私に合わせていたら、知恵の体力も奪われちゃう。
それより、先に階段を上ってもらって、上で少しでも休んだ方がいい。
この階段を上がりきったら、ゴールはもうすぐだもの。
「.....わかった。那美、とりあえず、階段を登りきったところで待ってるから。
慌てないで、ゆっくり来て!! 絶対だよ。 レースじゃないんだから、絶対にゆっくり来て!!」
そう言って、知恵は私のことを気にしつつ
振り向きながらも階段を登って行った。
知恵の背中を見つつ、私は階段を一歩ずつ登っていく。
半分までは来てるはずだから、あと25段..くらいかな。
一段登ったら、24段...
ちゃんと減っていく。
そんなことを考えて一段ずつ登っていたら、
「ほら。藤野。手を貸して。」
顔を上げたら
こうちゃん・・佐倉くんが手を出してた。
「........///////.......な....なに....??」
「山辺がさ、さっき登ってきたんだけど。
藤野が階段の途中で、辛そうで止まってるって言ってたから。
同じ班だし、心配で見に来た。
けっこう上まで、頑張ってきてんじゃん。
あと少し、頑張れ。
ってことで、さすがにきつそうだから。」
はい。って左手を出してくれる。
え.....
この手を借りていいのかな。
実は、足がパンパンで手すりがほしい~と願っていたのですが・・・・・
右手を出しながら、ちょっと戸惑っていたら。
____ほら____。
ってぎゅっと握ってくれて、力強く引っ張ってくれた。
さんざん、階段辛いよ__。苦しいよ___。手摺欲しいよ___。
って思いながら登ってたのが嘘のように
たんたんと登っていく。
あと数段で終わる。っていうときに
「藤野....蓮じゃなくてごめん。」
って、佐倉くんがつぶやいた。
「....えっ?....」
階段を登り切ったところに、同じ班の遠田くんと一緒に知恵が待っててくれた。
「那美ぃ~。よく頑張ったね!!
佐倉くんが、様子見に行くーーって言ってくれたから
まぁ、大丈夫だろうとは思ってたんだけど、よかった!!
宿泊施設までもうすぐだし、あとちょっとがんばろ!!
佐倉くんも、ありがと。」
知恵は、言いながらそっと私のそばに立ってくれる。
「いや、俺はなんもしてないよ。
藤野がとにかく一人で頑張ったから。
ま、この状況を知ってたら、蓮が一番にくるんだろうけどね。」
手を貸してくれて、佐倉くんの引っ張ってくれる力で階段を登りきることが出来たのに、
それは言わず、私一人が頑張ったって・・・言ってくれて・・・・
思わず、佐倉くんの方を見ると
...うんうん....と首を縦に振ってた。
さぁ、出発しよ。
って誰かが言って、宿泊施設まであとちょっと
無事に走り切った。
もう、さすがにクタクタです.......。
夕ご飯までに、お風呂に入っていいことになっているから
知恵と一緒に、大浴場に行く。
そこで、階段でのことを話した。
「てか...ごめん...って。
佐倉くん、なに?! 蓮じゃなくってとか...
しょうがないじゃん!! 宮澤は違うクラスなんだから!!。
なんか、腹立つ___!!!」
「....多分ね。私の手を握って引っ張ってくれたからね。
その...手を握ったことに対しての、ごめん..だと思うんだ。」
それよりも
晩御飯を食べた後にある、自由行動で
どういう風に話を持っていくか。。ってことに気を取られていて
起こす行動で、宮澤君がどう感じるか
なんて、一切考えていなかった。
少しずつ
少しずつ
動き出す
私たちの時間。
でも、階段が・・・・
「ほら、那美ぃ~がんばれーー!!」
フッ....フッ....ハッ....ハッ....
「......知...知恵...ごめん。....先に行って.....。
ちょっと、......遅れ....そう.....だから....。」
何とか、喋れて知恵に伝える。
私に合わせていたら、知恵の体力も奪われちゃう。
それより、先に階段を上ってもらって、上で少しでも休んだ方がいい。
この階段を上がりきったら、ゴールはもうすぐだもの。
「.....わかった。那美、とりあえず、階段を登りきったところで待ってるから。
慌てないで、ゆっくり来て!! 絶対だよ。 レースじゃないんだから、絶対にゆっくり来て!!」
そう言って、知恵は私のことを気にしつつ
振り向きながらも階段を登って行った。
知恵の背中を見つつ、私は階段を一歩ずつ登っていく。
半分までは来てるはずだから、あと25段..くらいかな。
一段登ったら、24段...
ちゃんと減っていく。
そんなことを考えて一段ずつ登っていたら、
「ほら。藤野。手を貸して。」
顔を上げたら
こうちゃん・・佐倉くんが手を出してた。
「........///////.......な....なに....??」
「山辺がさ、さっき登ってきたんだけど。
藤野が階段の途中で、辛そうで止まってるって言ってたから。
同じ班だし、心配で見に来た。
けっこう上まで、頑張ってきてんじゃん。
あと少し、頑張れ。
ってことで、さすがにきつそうだから。」
はい。って左手を出してくれる。
え.....
この手を借りていいのかな。
実は、足がパンパンで手すりがほしい~と願っていたのですが・・・・・
右手を出しながら、ちょっと戸惑っていたら。
____ほら____。
ってぎゅっと握ってくれて、力強く引っ張ってくれた。
さんざん、階段辛いよ__。苦しいよ___。手摺欲しいよ___。
って思いながら登ってたのが嘘のように
たんたんと登っていく。
あと数段で終わる。っていうときに
「藤野....蓮じゃなくてごめん。」
って、佐倉くんがつぶやいた。
「....えっ?....」
階段を登り切ったところに、同じ班の遠田くんと一緒に知恵が待っててくれた。
「那美ぃ~。よく頑張ったね!!
佐倉くんが、様子見に行くーーって言ってくれたから
まぁ、大丈夫だろうとは思ってたんだけど、よかった!!
宿泊施設までもうすぐだし、あとちょっとがんばろ!!
佐倉くんも、ありがと。」
知恵は、言いながらそっと私のそばに立ってくれる。
「いや、俺はなんもしてないよ。
藤野がとにかく一人で頑張ったから。
ま、この状況を知ってたら、蓮が一番にくるんだろうけどね。」
手を貸してくれて、佐倉くんの引っ張ってくれる力で階段を登りきることが出来たのに、
それは言わず、私一人が頑張ったって・・・言ってくれて・・・・
思わず、佐倉くんの方を見ると
...うんうん....と首を縦に振ってた。
さぁ、出発しよ。
って誰かが言って、宿泊施設まであとちょっと
無事に走り切った。
もう、さすがにクタクタです.......。
夕ご飯までに、お風呂に入っていいことになっているから
知恵と一緒に、大浴場に行く。
そこで、階段でのことを話した。
「てか...ごめん...って。
佐倉くん、なに?! 蓮じゃなくってとか...
しょうがないじゃん!! 宮澤は違うクラスなんだから!!。
なんか、腹立つ___!!!」
「....多分ね。私の手を握って引っ張ってくれたからね。
その...手を握ったことに対しての、ごめん..だと思うんだ。」
それよりも
晩御飯を食べた後にある、自由行動で
どういう風に話を持っていくか。。ってことに気を取られていて
起こす行動で、宮澤君がどう感じるか
なんて、一切考えていなかった。
少しずつ
少しずつ
動き出す
私たちの時間。