君だけをずっと
特別に親しいって訳ではない。

何のようだろ?

「とりあえず、行ってみたら?」

知恵に言われ、ドアの入り口に行く。

「宮澤くん。用事ってなに?」

「あ、藤野…特別用事って訳じゃないんだけどさ、
あの委員会、どうするのかなっておもって…」

手で自分の髪をくしゃって掴む宮澤くん。

これは、宮澤くんがちょっと緊張してるときに
やる癖。
中学の時、委員会の発表前にもよくやってた。

「委員会?
まだ、特に決めてはないんだけど、
誰も手を挙げなかったら、図書委員がいいなぁって思ってる。宮澤くんは?」
「いや、俺もまだ決めてなかったんだけどさ、
なんとなく藤野はどうするのかなぁって気になったんだ。」
「そうなの?」

宮澤くんは、ニコっと笑って

「お互い、希望が通るといいな。」

じゃ、クラスに戻るわ。
って言って、去っていった。

なんだったんだろ。

宮澤くん、1組って言ってた。
特進クラスだから、頭いいんだ。
知恵いわく、『宮澤くんってイケメンだけど、私はダメだー』
ってよくわからない事を言ってたな。


始業のベルがなる。

『席につけー!』

先生が教室に入ってきた。
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