君だけをずっと
本の貸し出し率をあげるために、週当番で企画をだしてくれ
ということらしい
とはいえ、1年だからあまりでしゃばるのは良くないんじゃないか
と二人で話して
様子をみながら、アイデアを出そう
ということにした。

話ながら歩くと
あっという間に、下駄箱に着いた。
案の定、知恵が待っていた。

「あれ?あんたたち仲良くお出まし?」

待たせてしまったせいか、ちょっとだけ、不機嫌な知恵。

「遅くなってごめんね。宮澤くんとは図書委員で一緒になったの。」

「ふーん。図書委員で一緒に…ね。」

そう言いながら、じろりと宮澤くんをみる。

「宮澤くんてさ、那美が図書委を選ぶって確信してたでしょ。」

は?
知恵ったら、何言ってたんだ?

「う…」

ばつが悪そうに頭をかきながらどもってしまう宮澤くん。

そんな宮澤を見て肩をすくめる知恵。

「めんどくさ…那美、帰ろ。」

ん?
ん?

「あ…ん…じゃ、さよなら。」

靴を履き替え、先に出ていた知恵を追いかける。

「知恵!待ってよ!」

「那美…ほんと、鈍感。」

溜め息つきながら
困った顔をしながら

「あのね、宮澤くんは那美のことが好きなの!」
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