私の恋した誘拐犯【完】
「今日洋くんと一緒に寝るー」



「今日はだめ。ちーちゃん一緒に寝るとなかなか眠らないし」



「ちぇ!」



今日の洋くんはケチだな、と頰を膨らませながらも、しぶしぶ了承。



16歳にもなって異性と寝るなんて、恥ずかしいことだと友達は言ってたけれど。



「ほらほら、後期初日から学校遅刻なんて笑えないよ。寝なさい」



「分かったよ〜う。…おやすみなさーい」



私にとって洋くんは、大好きな存在でもあり、お兄さんのような存在でもあるから。



「おやすみ」



ぽんぽん、と頭を叩く洋くん。



寝る前の恒例だ。
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