私の恋した誘拐犯【完】
いや、また私の勘違いかもしれない。



洋くんを気にしすぎてるだけだ。



そう思ったけれど、それから帰るまで、洋くんは一言も発することはなかった。



____________



「洋くん、お風呂上がったよ〜」



夕飯も済み、お風呂から上がると、洋くんはまた本を読んでいた。



(やっぱり、私に気づいてない…)



悪戯をしてやろうと一瞬シメシメ笑ったが、そこで思いとどまる。



(まてよ…また不発に終わったらどうしよう…)
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