私の恋した誘拐犯【完】
「…ど…喫茶…」



「ちーちゃんごめん、もう一回言って」



言うしかないと覚悟を決め、息を吸う。



「だ、だから!…め、メイド喫茶……」



「メイド喫茶!?」



「声大きいよ洋くん!」



別に誰も聞いてないのに、恥ずかしさでシーッと人差し指をたてる私。



洋くんは目を丸くしている。



「メイド喫茶って、まさかちーちゃん、メイド服着るの?」



「き、着たくないって言ったんだけど…友達がどうしても着て欲しいって…」



最悪だ…まさか洋くんにこんなことを知られる羽目になるとは…
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