私の恋した誘拐犯【完】
「そんじゃあさ、終わったら俺らと遊ばない?」



「あ、遊び…!?え、えと、ちょっと、お許しがでるかどうか…」



お客様だし、下手に断ったりしたら…なんて考える私の手を男の人が掴む。



「いいじゃん。楽しいよ俺ら」



「ご、ごめんなさい私「アリスちゃーん!注文ー!」



と、タイミング良く名前が呼ばれた。



「あ、行かなきゃ。ごめんなさいまたあとで」



丁寧に男の人の手を剥がし、呼ばれた人の元へ。



助かった、と安堵の息を漏らす。



「さっき、もう少しで俺が出るところだったわ」



注文を聞き終えた私に、たくちゃんがそう声をかけた。
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