私の恋した誘拐犯【完】
「…ごめんね。ちゃんとするから、一緒に回ろう?」



ちゃんとしてほしいんじゃないのに。



そう思ったけど、言葉にはせず頷いた。



私も洋くんと一緒に回りたいと、今は強くそう思うから。



「じゃ、お昼買いに行こっかちーちゃん」



「うん」



一度握られた手がパッと解かれ、



私はまた



洋くんの“隣を歩く人”になる。
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