私の恋した誘拐犯【完】
莉奈がそう言うなら、そうなのかもしれない。



「だけど人って、自分の弱みは隠そうとするから…本当の弱みを突かれるほど、余裕がなくなっていくんだと思うなぁ」



「弱み、かぁ」



そう言われ、再びたくちゃんと洋くんのやりとりを頭の中でリピートする。



だけど、そのやりとりに洋くんの核心を突く一言なんて、あるようには思えなかった。



「なに悩んでるのか知らないけどさ!文化祭も終わったし、約束通り3人でちぃに何か奢るから!元気出してよ!」



「ありがと莉奈〜」



考えても仕方ないのは分かってる。



分かってるけど…
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