私の恋した誘拐犯【完】
「どうしたのちーちゃん」



私の涙を拭いながら、洋くんは優しく問う。



「たくちゃんを怒らせた…」



「え…?」



言葉にすると悲しみは深くなり、ぶわっと涙が滝のように流れ。



「あーあー…もう泣かないでよちーちゃん…」



落ち着くまで、洋くんはしばらく私の背中をさすってくれていた。



___________



「落ち着いた?」



「うん…ごめんね洋くん」
< 177 / 530 >

この作品をシェア

pagetop