私の恋した誘拐犯【完】
ただ単に、父親の建てたお店だったから?



それがどんな理由なのか、まったく予想はできないけれど。



「ねぇちぃ、今日行くんでしょ?」



と、教室に着いたとき、莉奈が思い出したように言った。



「へ?…なに?どこへ?」



「あ、やっぱり忘れてた?」



私も今朝まで忘れてたよ、と笑って言う莉奈だけど、私は全然思い出せない。



行く?ってどこに?



「4人で新しくできたパンケーキ屋さん行こうって、秋休み前に話したじゃん」



そう言われて、一瞬ハテナが浮かんだけど、すぐに思い出した。
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