私の恋した誘拐犯【完】
再びごめんと謝る洋くんに、頭の中が混乱する。



(なんで嬉しいの?というか嬉しいのに何で謝るの?)



「あぁごめんちーちゃん。余計混乱させたね」



「う、うん?」



「とりあえず明日、拓巳くんと話し合ったらいいよ。気に食わないけど」



キラッキラの笑顔でそうアドバイスをくれる洋くんだが、裏の声が漏れ漏れだ。



最近の洋くんは、前より正直な気がする。



(いろんな意味で)



「さ、ちーちゃん気を取り直して!布団でも干そっか!」



ぽんっと背中を叩き、洋くんが立ち上がった。
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