私の恋した誘拐犯【完】
「うん!」



洋くんのおかげでだいぶ元気になった体を起こし、大きく頷いて見せる。



そして布団をまとめるべく、いろいろ準備していると



「…ダメだな、俺」



後ろの方で、洋くんのそんな独り言が聞こえた。



チラッと振り向くと、何やら目を覆って頭が痛そうな格好の洋くんが。



「よ、洋くんどうしたの?頭痛い?」



「大丈夫だよ」



私の声に反応した洋くんは、少しビックリしてるようにも見えたが、すぐにいつもの笑顔に戻り



せっせと布団を運んで行ってしまった。
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