私の恋した誘拐犯【完】
「今日買い物一緒に行かない?」



布団を干し終わり、リビングでくつろいでいるときだった。



洋くんからそんな言葉が飛んできたのは。



「へ、…私と…?」



「ちーちゃん以外誰がいるんだよ…」



眉を下げて笑う洋くんだが、その当たり前な意味でさえ疑ってしまうほど珍しいお誘いだった。



「嫌ならいいんだけど」



「い、嫌なわけ…!!行きます!行きたい!行かせてください!ぜひ!」



あまりにも必死な様子を見て、今度は吹き出す洋くん。
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