私の恋した誘拐犯【完】
そうして私の前に立った洋くんは、突然私の頭を撫でた。



キョトン、と洋くんを見上げる。



「ど、どうしたの洋くん」



「あ、いや…ごめん」



パッと手を離した洋くんは、自分で撫でたくせに不思議そうな顔をしながら、自分の手を見つめていた。



(1番不思議なのは私なんだけど…)



「変なの〜」



もちろん撫でられるのはすごく嬉しい。



嬉しいけれど、それより疑問に思う気持ちの方が大きくて複雑だ。
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