私の恋した誘拐犯【完】
「な…っ急になに…!」



飲んでいた水を吹き出しそうになりながら、私はそう抗議した。



「どっち?」



洋くんはなおも真剣な顔を向けてくる。



「ど、どっちって……」



そう聞かれても、『好き』のジャンルが違う2人。



選べるわけがない。



「それだよちーちゃん」



「え…?」



「拓巳くんを怒らせてる理由」



訳が分からなくて、ただただ首をかしげ眉を寄せる。
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