私の恋した誘拐犯【完】
(まさか私死んだ…?)



なんてよからぬ想像も頭をよぎったけれど、自分の肩を抱く手があることに気づきゆっくりと目を開けた___



「…っよ、洋くん…!?」



「あっぶねえ…」



あろうことかそこには、片腕で本棚を抑え、もう片手で私を抱きしめる洋くんがいたのだ。



ドサドサと落ちた本は、洋くんの頭の上に落下していった。



「いって…」



「だ、大丈夫洋くん!?」



「洋平!?」



奥の方から騒ぎを聞きつけた学さんも、ものすごい剣幕で寄ってくる。
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