私の恋した誘拐犯【完】
「ちーちゃんのせいじゃないよ。…この本棚、明日にも変えるべきだな」



「だな」



こんな怪我までしてるのに、冷静に話しをする洋くんと学さん。



「ちーちゃんは、本当に怪我ないんだね?」



少しだけ余裕をなくした洋くんの顔。



見上げているだけで涙が浮かんでしまう。



「やっぱりどっか痛い?」



私の目に涙が溜まっていくのを見て、洋くんは心配そうに問うた。



必死に首を振る。
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