私の恋した誘拐犯【完】
「たくちゃんは置いて、3人で早く行こっか」



「賛成〜」



私の言葉に、莉奈はそう言って中に入り始める。



「お、おい何で鮎川まで…」



「いいから早く入れよ拓巳〜」



後ろでキョンタとたくちゃんのやりとりを聞きながら、私も店内へ。



甘い香りが充満していて、早くもお腹が鳴る。



店員さんに案内され、通された席では、観葉植物がオシャレに飾ってあった。



「ねぇちぃ、何にする?いっぱいあるよ」



莉奈がメニュー表を私に見せながら、そう声を高ぶらせた。
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