私の恋した誘拐犯【完】
「私がパンケーキ残しちゃったら、食べてくれる…?」



なんて、普通に聞いてるけど、他人の食べた残りを食べるなんて、いくら仲良くても嫌に決まってる。



「はぁ?…千織が残すなんて考えらんねーけど。もし残したら食べてやんよ」



「本当!?」



「何驚いてんだよ、自分で聞いといて」



さすがのたくちゃんは、普通を超えた返事をしてくださる。



意地悪なたくちゃんだけど、根はとても優しいのを私は知ってる。



「え、何よちぃ、まさか残すんじゃないでしょうね?」



と、話しを聞いていた莉奈が、眉根を寄せて私の肩を揺らした。
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