私の恋した誘拐犯【完】
それは無理してるとかではなく自然体で。



まるであの日のことが嘘だったかのように感じられるほど。



「俺は負けないから、お前は緊張すんのやめろ」



たくちゃんはいつもと同様、余裕な笑みを零しながら言う。



「とか言って負けたら大笑いしてやるかんなコンチキショーー!」



「綾瀬なら大丈夫だってキョンタ。あの日の姿見たでしょ?」



莉奈はそんな興奮気味のキョンタを落ち着かせながら、たくちゃんに笑いかけた。
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