私の恋した誘拐犯【完】
「うん。応援してるから」



私の中で少しずつ固まってきたもの。



それは前に進むことと、変わる勇気を持つこと。



「千織の応援で俺大丈夫かなー」



「ちょ、なにそれ!」



ケラケラと笑うたくちゃんを小突けば



「嘘。ちょー頑張れる」



なんて少し男らしい笑顔で言うものだから、調子が狂ってしまう。



「も、もう…早く帰ろ!」



「あーい」
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