私の恋した誘拐犯【完】
ずっと気まずい雰囲気のままで。



朝も夜も会話が減って。



洋くんからまるで避けられてるような日々が続いた最近からのこのメッセージ。



「そいつ、ずっと千織のこと避けてたんだろ?」



「…うん」



「なんで今更…よりによって今日」



あークソ、と頭をガシガシ掻くたくちゃん。



私もたくちゃんと同じ疑問だ。



お互いにかもしれないけれど、ずっとどこか避けていた。



あの日以来、洋くんに近づくことが少し怖かった。
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