私の恋した誘拐犯【完】
「も、もしもの話しだよ。ほ、ほら、お昼ご飯もたっぷり食べてるしさ、ね?」



「まぁ、ちぃのご飯の量だったら確かに…もしもがありえるかもね」



高校に入って知ったけど、私の食べる量は、人より倍多いらしい。



洋くんは、そんな私を「いっぱい食べる人は幸せになれる」なんて甘やかすけど。



「お弁当減らそうかなあ」



ぼそり、呟いた声に3人が笑う。



「有栖が弁当減らすって、もうそんなの有栖じゃねーよなあ」



キョンタがケラケラと、馬鹿にしたように笑うのに、少しむくれる。
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