私の恋した誘拐犯【完】
洋くんに何を話す?



洋くんは何を言ってくる?



考えても仕方ないのに、グルグルと頭の中はぐちゃぐちゃだ。



昇降口に着くと、すでに洋くんの車が停まっていた。



嫌に脈が早くなっていく。



いつも会ってるはずの洋くんの姿は、どこか懐かしいように感じた。



「洋くんごめんね、お待たせ」



「大丈夫だよ」



あの突然怒鳴られた日から1ヶ月ほど過ぎたけれど、洋くんからの説明はもちろんない。



それを延長するかのように2人の仲は離れていったような気がする。

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