私の恋した誘拐犯【完】
察しのいい洋くんは、そんなことでさえ予想がついてしまう。



「仲いいねほんと」



クス、と笑った洋くんに何故か苛立ちを覚えた。



大人の余裕。



それが妙に私をイラつかせる。



「いつからの仲だっけ?」



「入学式」



「へぇ、思ったより浅いんだ」



どうしてだろう、洋くんの質問も感想も私を煽っているように聞こえてしまう。
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