私の恋した誘拐犯【完】
「ちーちゃん」



明日の準備をしようと自分の部屋へ向かう途中。



洋くんが私を呼んだ。



「なに洋くん」



「今日一緒に寝る?」



一瞬なにを言ってるのか分からなかった。



いつもより優しい笑顔、それなのにどこか裏を感じる笑顔で。



「洋くん…?」



「…冗談だよ。そんな顔しないで」



違う。
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