私の恋した誘拐犯【完】
こんなにできた男が、この世に存在するのかと、時々疑問に思うことがある。



こんな男に、惚れない女がいるはずない、そう確信してる。



「でもちーちゃん、夕飯前のパンケーキは程々にね」



「は、はぁい…」



いつもの笑顔で言う洋くんだったが、言い知れぬ恐怖が貼られていた。



「洋くん洋くん、今日は一緒に寝ようね!」



カップラーメンの様子を伺う洋くんに、声を荒げて言う私。



「分かったから騒がない。じゃぁお風呂入っちゃいな」



洋くんはハイハイと笑う。



「はーい!」



やった!とガッツポーズをして、お風呂に直行。
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