私の恋した誘拐犯【完】
「もうちぃったら〜〜」



「なぁアユ、なんか拓巳こっち向かってきてね?」



莉奈が私を抱きしめると、キョンタがそう不思議そうな声を出した。



はて?と私と莉奈もたくちゃんの方を見下ろす。



確かに、たくちゃんはこっちに向かってきてるようだ。



2階席に用事?私たちに会いにくる?



「嬉しさのあまり俺たちに会いたくなったんかなあいつ」



「ありえる」



莉奈とキョンタがケラケラと笑うと、2階席の出入り口にたくちゃんの姿が見えた。
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