私の恋した誘拐犯【完】
第4章

中途半端な気持ちで

「変装はいいからお菓子買おうよ洋くん〜」



「分かったから揺らさないで」



10月31日



世の中が変装だなんだと騒ぐハロウィンだ。



こんな日くらいたくさんお菓子を食べたくて、洋くんの肩を揺らしておねだりしてたわけです。



「というか、拓巳くんと会わなくていいの?せっかくハロウィンなのに」



「た、たくちゃんは部活で…会えないって言われたからそれで…」



「ふーん」



自分で聞いといて空返事。



洋くん、最近ずっとこうなのだ。
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