私の恋した誘拐犯【完】
顔に熱が集中して、シーツから顔を出すことができない。



「な、何でこんな「ちーちゃん」



私の言葉を遮って、洋くんはシーツを剥がす。



思った以上に洋くんの顔が近い。



(顔が赤いのなんて絶対バレてる…)



洋くんは赤くなった私の顔を両手で包むと、



「俺には?」



少しだけ顔を傾けて聞いてくる。



「…っ、え?」



なんのことか分からず、声にならない声を絞りあげた。
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