私の恋した誘拐犯【完】
「私はあげる側じゃ「お菓子くれなきゃ」



「っ…!」



「イタズラするぞ」



それはあまりにも色っぽく、計算尽くされた距離。



このまま少しでも私が動けば、唇が触れてしまう。



何も言えない



発せない



ただドキドキとした心臓の音が体を揺らしながら激しくなるだけ。



洋くんはただジッと私の顔を見つめるだけで、何もしようとしない。
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