私の恋した誘拐犯【完】
会話は弾まず。



時計の音が響き渡って。



「あ、そーいや11月って遠足あるよな」



急にハッとした顔をして、たくちゃんが私を見る。



「え?…そ、そうだっけ?」



「覚えてねーの?毎年紅葉見に行ってるだろあの学校」



「あ、そうだったねアハハハ」



たしかに入学式のときそんなことを言われたような気もする。



遠足なんて中学生までだと思ってた。
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