私の恋した誘拐犯【完】
望まないって、なんなんだろう。



何まで望んでいいんだろう。



自分で出した答えが、自分を苦しめてること。



分かっていても、それ以外の答えは見つからない。



髪の毛を乾かして、洋くんのベッドに入ると、ふわっと洋くんの匂い。



洋くんと私は、使ってるシャンプーが違うから、きっとその香り。



心が落ち着く、そんな匂いだ。



そうしてそのまま、しばらくウトウトとしていると、部屋の扉が開く音。



洋くんだ。
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