私の恋した誘拐犯【完】
嫌で嫌で仕方なくても、反抗する気もなかったし、できなかった。
そんなある朝の登校途中。
18歳だった彼は現れた。
私の前に立ちふさがり、無理やり引っ張るでも、連れてくでもなく
ただそっと、私に右手を差し出してくれた。
この人は誰なのか
どこに連れて行こうとしてるのか
今思えば、当たり前な疑問も、このときの私には微塵もなかったのだ。
10歳だった私は、その右手をぎゅっと握って
彼の行くままに、歩いたのを覚えている。
そんなある朝の登校途中。
18歳だった彼は現れた。
私の前に立ちふさがり、無理やり引っ張るでも、連れてくでもなく
ただそっと、私に右手を差し出してくれた。
この人は誰なのか
どこに連れて行こうとしてるのか
今思えば、当たり前な疑問も、このときの私には微塵もなかったのだ。
10歳だった私は、その右手をぎゅっと握って
彼の行くままに、歩いたのを覚えている。