私の恋した誘拐犯【完】
「今日どうしたの?なんか変じゃない?」



さっきの反応といい、どうしてしまったのか。



「そんなことないよ」



「お仕事でなんかあったの?」



「何もないよ」



背を向けて話す洋くんに、言い知れぬ寂しさと悲しさが湧いてくる。



寂しくて、その背中に手の平を当てた。



ピクッと洋くんの肩が上がる。



「やっぱり、なんか変だよ洋くん。何かあったんだよね?」



いつもの反応と違いすぎる姿に、不安はピーク。
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