私の恋した誘拐犯【完】
「私がたくちゃんと一緒にいることを選んだだけ。何かおかしいかな?」



「おかしくは…ない、けど」



「じゃあもう行こうよ。時間もったいない」



たくちゃんの手を引いて、もみじ並木を歩く。



こんなに綺麗なもみじの下にいる時間くらい、もっと純粋な心でいたい。



「綺麗〜…」



「だな」



ヒラヒラ舞い落ちるもみじ。



足元に積み重なって土に汚れていく。
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