私の恋した誘拐犯【完】
「たくちゃんも一緒に作ろーよ押し花」



「いーよ俺は。使い方よく知らねーし」



私が拾ったもみじを見ながら、たくちゃんは首を振る。



「使い方って…飾ればいいじゃん」



「邪魔になるし」



「ほーんと、たくちゃんはバスケのことしか興味ないんだね〜」



やれやれ、と笑う私を黙って見下ろすたくちゃん。



そのままポン、と私の頭を叩くと



「あと千織な」



サラッとそんなことを言ってきた。
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