私の恋した誘拐犯【完】
「…っ」



嬉しかった。



「い、いこっ」



なのに痛かった。



「お、ちょ、走るなよ千織」



たくちゃんの手を引く力をギュッと強くした。



走る私の風にもみじが揺れる。



「あ、千織!あそこ和食屋だって」



「あ、じゃあそこいこ!」



グイッと今度はたくちゃんに手を引かれて和食屋さんへと向かう。
< 418 / 530 >

この作品をシェア

pagetop